勝手にキャラデザ。絵描き流ラノベの楽しみ方(朱弓ファンアート)

「ネットにNAKAさんにおススメの面白い小説があるんだけど。」
 しばらく会ってなかった友人が、電話越しにそんな事を言ってきた。
 歯医者で虫歯の治療を受けたその帰り道、それが、私と朱弓の出会いのきっかけであったのだ――


「Vermillion 朱き強弓のエトランジェ」とは

 本小説(以下、朱弓と略します)は只野新人氏が小説投稿サイト「小説家になろう」で連載しているライトノベルです。現在は書籍化され、宝島社「この理とノベルがすごい!」文庫より出版されています。内容としては主人公がある日突然中世ファンタジー風の世界に転移してしまい、それまでゲームの中の世界でしかなかった剣と魔法の世界で「リアルな」サバイバルに直面する――という、おなじみのものではあります。正直なところ、薦められた時点ではそこまで乗り気ではなかったのですが、とりあえずは読んでみようとサイトを開き、読み始めたのですが・・・

「俺も騎兵とかドラゴンとかのカッコいい戦闘シーンとか描きてえええ!!」

 ・・・と、朱弓の世界観に触発されてしまったもので、

 勢いで描いてしまいました。

 なお、本作の世界には飛竜(ワイバーン)が生息しているのですが、もしも倒そうとするなら100人単位の戦士と投射機や弩砲といった攻城兵器、さらには高レベルの魔術師などまで揃えてそれらが総掛かりになってようやく相手にできるかどうかというほどの化け物のようです。ちなみに、作中で主人公が「竜鱗とりに飛竜狩りにでも行くか?」と問えば、ヒロインは「自分があと50人、お前が100人いたら考えなくもない。」と返しています。作中では飛竜との対戦は未だ起こっていませんが、いずれそう言ったシーンがくるに違いない、と思って描いたイラストになります。

 本作は主人公が馬上で弓を扱う騎射の達人という設定なのですが、となると何としても騎兵のカッコいいところを描きたくなるというものです(「もののけ姫」ではアシタカのアクションかっけえええ! と思ったクチなもので・・・)。しかして、描いてみると馬って難しいですねえ・・・。やはり犬でも猫でも馬でも実在するものは、ごまかしがきかない分ドラゴンのように実在しないもののようにはいかないものです。

 上のイラストは朱弓の世界観を自分なりにイメージしたもので、馬上の二人は主人公とヒロインになりますが、この絵を描いた時点ではまだ公式絵がなかったので人物のデザインも私自身のものになります・・・が、当然ながら登場人物はこの二人だけではなく、朱弓の世界には多くの魅力的なサブキャラクター達が登場しており、それが本作の大きな魅力だと私は思っております。なので、私が自分のイメージでデザインしたキャラクターたちの中の、ここでは彼ら「脇役」達をメインに紹介したいと思います。

 

 さて、まずご紹介させて頂くのは朱弓の序盤でで主な舞台となる「アクランド連合公国」に暗躍する大盗賊団、イグナーツ盗賊団の実動部隊のひとつ、モリセット隊の主要メンバー達です。

 彼等は文字通りの「盗賊団」であり、城壁で守られた都市から一歩外に出れば容易に無法がまかり通ってしまうこの世界において、極めて危険な存在です。彼等は狩人であり、捕食者です。見知らぬ世界に迷い込んだばかりの主人公達を獲物として狙い牙を剥きますが、しかし彼等は知りませんでした。彼らが獲物とみなした相手が、実は彼らの想像もつかない世界からやってきた「おとぎの国の登場人物」であると言う事を。

 部隊を率いる隊長のモリセットです。作中では「骸骨のような顔立ち」、「長く伸びた髪が幽鬼のよう」、「盗賊団より墓守の方が似合いそうな男」など、散々な言われようの何とも陰気な男です。ですがその一方で非常に理性的で用心深く、彼自身はそこまで武に優れている訳ではありませんがその分部下を活かし、的確に隊を指揮する事で目的を達するタイプです。あまりにも思いがけない強敵であった主人公に逆襲され、部下を次々に失いながらも咄嗟の判断で生き残りを指揮して主人公に罠を仕掛け、深手を与えあと一歩のところまで追い詰めました。死と隣り合わせの世界で、生き残りをかけて部下に檄を飛ばす姿は、彼が例えばゲームの中のキャラクターのような存在では決してないと言う事を見せつけます。
 善きも悪きも、強者も弱者も、それぞれがそれぞれなりに必死に生きているという、朱弓の世界観を印象付けたキャラクターの一人だと言えるでしょう。


「あんまりなあ、(肉を)焼き過ぎると、おいら、脂がもったいないと思うんだぁ。」
 そんな間延びした喋りの小太りの男、ラト。普段の言動からは間の抜けた印象を与えますが、実は卓越した隠密接敵の使い手です。いざ戦闘になると巧みに気配を殺し、相手の死角から奇襲を仕掛けます。その戦闘スタイルは暗殺者のそれと言って間違いないでしょう。風体と能力が一致しない、そのギャップもまた敵を欺くカムフラージュなのかもしれません。

「いや、ホントすんません。」
 恐らくはモリセットと旧知の仲であろうラトに対して、こちらは新米隊員のパヴエル君です。盗賊団に入ってまだ日が浅くやや頼りない印象の若者ですが、射手としての腕はそれなりで、獲物に気取られない距離から矢を射かけ、確実に仕留める腕を持っています。ただしそれは、並の相手であればの話。狙った相手が獲物どころか自分たちの死神であったと、彼らは思い知る事になります。
 盗賊団に入りたてのルーキーという設定のパヴエル君ですが、その前は一体何をしていたのやら。作中では語られていませんが、何となくストリートギャングの年長者っぽい感じをイメージしています。

 

 とりあえず今回はここまでです。他にも紹介したいキャラクターは大勢いるので、いずれ更新したいと思います。